第14回普及促進ワーキンググループ会合レポート

会合の模様

2019年10月15日(火)に、第14回普及促進ワーキンググループ会合が開催されました。その模様を紹介します。

アジェンダ

ソフトバンクの IoT モジュール
ソフトバンク株式会社 土井 正行 氏
ドコモの考える IoT スマートライフ
株式会社NTTドコモ 堀口 賞一 氏
Fuetrek x NTTデータMSE パートナリングによる IoT 事例の紹介
株式会社フュートレック 斉藤 秀吾 氏
株式会社NTTデータMSE 齋藤 大也 氏

ソフトバンクの IoT モジュール

ソフトバンク株式会社 土井 正行 氏
デモの模様

ソフトバンク株式会社 土井 正行 氏より、NB-IoT/Cat.M1 通信モジュールについて紹介いただきました。

ソフトバンクは日本初で NB-IoT の商用サービスを開始しており、現在ではほぼ全国で利用可能です。ソフトバンクのIoT通信モジュールは、村田製作所と共同開発されたもので、ソフトバンクの NB-IoT や Cat.M1 といった通信サービスに接続します。すでに NB-IoT と Cat.M1 の両方をサポートしたモジュールと、NB-IoT のみをサポートしたモジュールの 2 機種が開発され、今後発売予定です。

これら通信モジュールはクラウドサービスである「ソフトバンクIoTプラットフォーム」と接続するための機能が組み込まれており、サービス開発者は簡単に遠隔からデバイスの情報の取得やデバイスの制御が可能となる点が大きな特徴です。

この通信モジュールとクラウドとの間の通信プロトコルには、国際標準化団体「OMA SpecWorks」が策定した Lightweight M2M (LwM2M) が採用されています。またファームウェア更新 (FOTA) もサポートされています。サービス開発者は、デバイスを遠隔からアクセスするために通信プロトコルを意識する必要はなく、ソフトバンク IoT プラットフォームが提供する Web API を利用するだけでサービス開発が完結します。また、デバイスベンダーはソフトバンク IoT プラットフォームに接続するために LwM2M プロトコルスタックを開発する必要はありません。AT コマンドで通信モジュールとやり取りするだけで、通信モジュールが自動的に LwM2M 変換してクラウドと通信を行います。

この通信モジュールはソフトバンク IoT プラットフォームを利用するうえでは、デバイスベンダーにもサービス開発者にも優しい設計といえるでしょう。今後、これら通信モジュールを組み込んだデバイスと、それらデバイスを活用した IoT サービスの普及が期待されます。

ドコモの考える IoT スマートライフ

株式会社NTTドコモ 堀口 賞一 氏
未来の家プロジェクト

株式会社NTTドコモ 堀口 賞一 氏より、同社が取り組んでいる IoT スマートライフについて紹介いただきました。

現在NTTドコモは、「住むことで生活・暮らしをサポートしてくれる家」というテーマで様々な取り組みを行っています。多種多様な IoT センサーや家電機器をクラウドと接続し、日常生活センシングによって収集したデータを基に快適な暮らしをサポートする仕組みを検証中です。

すでに IoT スマートホームと呼ばれるトレーラーハウスを用意し、被験者に実際に住んでもらいながら様々なライフログを収集しています。具体的には睡眠状態、体重、血圧、体温、歩数、脈拍といったヘルスケアーの領域から、照明、エアコン、テレビといった家電の操作などが対象です。IoT クラウドには、NTTドコモがすでにサービスを開始している「IoTアクセス制御エンジン」を採用しています。

こういったNTTドコモの R&D で取り組んできた成果は、「TOPGUN」と呼ばれる法人営業部門と連携したプロジェクトを通して顧客企業にサービスとして提供されます。TOPGUN ではすでに様々なプロジェクトが進行しており、IoT スマートホームもラインナップに含まれます。今後も TOPGUN を通して、顧客、そしてNTTドコモの R&D 部門と法人部門の三位一体で課題解決を推進していく予定です。

Fuetrek x NTTデータMSE パートナリングによる IoT 事例の紹介

左:NTTデータMSE 齋藤 氏/右:フュートレック 斉藤 氏
デモの模様

株式会社フュートレック 斉藤 秀吾 氏、株式会社NTTデータMSE 齋藤 大也 氏より、2社のパートナリングによるサービス開発の事例を紹介いただきました。

フュートレック社は、NTTドコモ社のスマートフォン向けサービス「しゃべってコンシェル」「my daiz」や、カーナビなどで使われる音声認識技術に強みを持っています。音声認識だけでなく声認証によって個人を特定する技術も有しています。一方、NTTデータMSE社は組み込み機器向けソフトウェア開発に強く、情報家電、モバイル端末、自動車などにかかわってきました。

このたび、デバイス WebAPI コンソーシアムでのつながりによって、2 社で声認証ソリューションを開発しました。今回は、そのソリューションを使って、声によって本人を認識してドアの鍵を開閉するデモを開発しました。このデモシステムでは、フュートレック社の音声認識 SDK (vGate ASR 音声認識システム)と、声認証 SDK(vGate Authentication 声認証エンジン)を、NTTデータMSE社がサービスとしてインテグレートした形となります。

本人が自身の声を登録すると、以降、本人のみが声で鍵を開閉できます。もちろん、他者が命令を行っても鍵は反応しません。こういったソリューションは、今後、ショッピング、セキュリティー、ファイナンス、エンターテイメントなどの分野で応用されることが期待されます。