2019年4月17日(水)に、第5回総会が開催されました。総会には 43 会員 87 名が出席し、総会後には講演、そして、会場では、会員 9 社によるデモが披露されました。講演とデモ展示の模様を公開します。
株式会社NTTドコモ 吉川 貴 氏より、NTTドコモ社におけるデバイス WebAPI、および、IoT アクセス制御エンジン「Symphony」を使った IoT サービスについて解説いただきました。
これまでNTTドコモ社では、デバイス WebAPI を使って、デバイスアクセスのインタフェースの抽象化を行い、IoT サービスの開発コストの削減や開発期間の圧縮を目指してきました。さまざまな実例を作りながら、その効果が確認できました。今後は、それらの成果をもとに、IoT ビジネスを計画している事業者に対して、その実現を支援していくフェーズになりました。
IoT ビジネスは、IoT デバイスを開発・販売するメーカー、そして、IoT サービスを開発・提供するサービス事業者の両輪で実現します。また、IoT サービスは一つのデバイスメーカーのデバイスだけで完結することは稀であり、数多くのデバイスを組み合わせる必要があります。IoT アクセス制御エンジン「Symphony」では、異なるインタフェースを持つ IoT デバイスを、デバイス WebAPI のコンセプトのもと、インタフェースを統一したうえで、サポートデバイスをラインナップすることで、サービス事業者の IoT サービス開発のコスト削減と工期短縮を支援します。
すでに Symphony 向けに、SDK、コード生成ツール、開発者向けドキュメントの整備が進められており、実開発における開発支援の充実も図っています。IoT ビジネスを検討されているデバイスメーカーやサービス事業者は、スライドに掲載のメールアドレスにていつでも相談可能です。
ソフトバンク株式会社 菊地 仁 氏より、ソフトバンク社の IoT ビジネスの戦略や実例を紹介いただきました。ソフトバンク社は、「IoT」、「AI」、そして「ロボット」を成長分野と捉え、力を入れています。また、ソフトバンク・ビジョン・ファンドを通して、それら成長分野を加速させています。
IoT 分野では、英 ARM 社を買収したことで、通信だけでなく、半導体・セキュリティーまでカバーし、IoT ビジネスに取り組んでいます。通信では、LTE Cat-1に加え、ライセンスバンドを用いた LPWA (Low Power Wide Area) として Cat-M1, NB-IoT を提供。それぞれの特性に応じ適切なサービスを組み合わせることを提案しています。さらに、5G の特徴である「超高速」「多数同時接続」「超低遅延」を活かした取り組みも行われています。「ソフトバンク IoT プラットフォーム」は、ネットワーク、デバイス管理、データ蓄積・解析、セキュリティの機能を多様な API とともに総合的に提供するビジネス基盤です。様々な事業者と協業することで新たな価値を生み出します。
AI・ロボティクス分野においては、癌の早期発見を目指す米ガータントヘルス社、商業用ロボットの米ブレイン・コープ社などソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先とも協業していき、IoT で蓄積したデータを活用した新ビジネスを推進していきます。
現在、ロボット制御のフレームワークには、ROS (Robot Operating System) や OpenRTM などが存在しています。これらを採用した場合、開発環境の構築や Framework のノウハウの習得が必要となり、メイン部分の開発までに多くの時間とコストを必要とします。
RESTful Robotics では、DeviceWebAPI を用いることで、Web テクノロジーでロボット制御が可能になります。Web API の仕様に基づいた HTML5 アプリを開発することで、ブラウザからロボットの操作が可能になる仕組みです。
スマート家電コントローラは、Wi-Fiに接続して、スマホから赤外線で家電を操作するデバイスです。
デモ展示では、声を使って家電を操作できる 2 種類のシステムを紹介。テレビと照明を使って、「テレビをつけて」「○チャンネルに変えて」「照明を消して」「全部つけて」など、実際に声で制御します。
NTTドコモ開発の対話エンジンで音声を解釈し、デバイス WebAPI を活用したプラットフォームでリモコン処理をおこないます。(アプリは「おしゃべり」「家電くん」使用)
Amazon Alexa スキル、Actions on Google により音声を解釈し、AWS クラウド経由でリモコン処理をおこないます。
音声を分析して疲労度を教えてくれる、ロボットとクラウドの連携ソリューションです。本展示のクラウドサービスは、株式会社セックと某気象専門会社が共同で開発を進めている気象情報を有する価値創造 IoT プラットフォームにより提供されます。本展示の疲労測定は、塩見格一博士(現福井医療大学)が開発した発話音声分析エンジンを株式会社アイヴィスがライブラリ化したソフトウェアを利用して実現しています。
デバイス WebAPI を使用して LAN 内に接続されたカメラを制御するシステムの紹介。複数のカメラを識別し、個別の操作や同時操作をすることができます。また一台のカメラ検出した動体を複数のカメラで撮影するといった連係動作も行えます。