第10回技術ワーキンググループ会合レポート

会合の模様

2018年7月11日(水)に、第10回技術ワーキンググループ会合が開催されました。その模様を紹介します。

アジェンダ

第0回仕様策定サブWG会合報告 - 仕様作成プロセスについて
ソフトバンク株式会社 中山 大輔 氏
社会ニーズの解決を実現するIoTセンサ ~オムロンのセンシング技術~
オムロン株式会社 羽山 幸介 氏
Straight for your purpose ~BLEビーコンを活用する意味~
株式会社芳和システムデザイン 金尾 卓文 氏
APPS JAPAN 出展報告と小型心拍センサmyBeatシリーズの紹介~
ユニオンツール株式会社 和田 昌明 氏

第0回仕様策定サブWG会合報告 - 仕様作成プロセスについて

仕様策定サブ WG 共同議長であるソフトバンク株式会社 中山 大輔 氏より、5月11日に行われた第 0 回仕様策定サブ WG 会合の報告をしていただきました。

サブ WG 会合では、提案プロセス、仕様案作成プロセス、公開プロセス、仕様書のライセンスについて運用方針案を確定し、本会合にて詳細を説明しました。今後は、このプロセスに基づいて、サブ WG を運営することとしました。

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社会ニーズの解決を実現するIoTセンサ ~オムロンのセンシング技術~

オムロン株式会社の羽山 幸介 氏より、オムロン社のセンシング技術の概要、そして、環境センサー製品についてご紹介いただきました。

オムロン社は、創業者の立石一真氏の「機械にできることは機械に任せ、人間はより創造的な分野で活動を楽しむべきである」との経営理念に基づき、世界初の自動感応信号機、無人駅システム、ATM などを提供してきました。現在は、制御機器事業を筆頭に、車載事業、ヘルスケア事業、そして、電子部品事業が多くの売り上げを占めます。

電子部品事業の製品の一つに環境センサがあります。温湿度、照度、気圧、UVなど 7 つのセンシングを搭載した BLE 対応センサーデバイスです。測定間隔 5 分ならコイン型電池で半年以上運用可能です。

公式に GitHub で Python モジュールを一般公開しています。これを使って、Raspberry Pi などの環境で誰でも環境センサーの情報を取得可能です。GitHub では BLE の通信仕様も公開されており、公式ではありませんが、node.js のモジュールもオープンソースとして登場しています。

7月1日には USB 型環境センサーも発売しました。この新製品は、ボタン電池ではなく USB 給電のため、電源を気にすることなく利用可能です。

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Straight for your purpose ~BLEビーコンを活用する意味~

株式会社芳和システムデザイン 金尾 卓文 氏より、BLE ビーコンのソリューション事例そして暗号化の仕組みなどを解説いただきました。

芳和システムデザイン社は、BLE ビーコン製品「BLEAD(ブリード)」シリーズを販売していますが、同社はハードウェアの設計、開発、量産、そして、コンサルティングまで扱うソリューションベンダーです。市販品の組み合わせでは対応できない業務要件を得意としています。

芳和システムデザイン社の会議室ソリューション「Flick On」では、会議室入り口の使用中プレートに BLE ビーコンを埋め込み、リアルタイムにどの会議室が実際に利用中なのかを把握できます。そのほか、LINE を活用した自動販売機サービス工場における部品運搬作業進捗管理システム倉庫における物品の所在確認ソリューション、デジタルサイネージ連携、物理的なエリアを限定したコンテンツ閲覧の仕組みなどを手掛けています。

BLE ビーコンの活用において、暗号化していないと困るケースもいくつかあります。来店ポイントやクーポンでの利用ではビーコンのなりすまし、子供の見守りではビーコン取得によるプライバシー侵害などが脅威となります。同社ではビーコン側にランダムに変化する暗号化アルゴリズムを使ってクラウド側で解読する仕組みも提供しています。

APPS JAPAN 出展報告と小型心拍センサmyBeatシリーズの紹介~

ユニオンツール株式会社 和田 昌明 氏より、APPS JAPAN 出展報告と同社製品の小型心拍センサ「myBeat」シリーズについて紹介いただきました。

現在、日本では、平均寿命と健康寿命の差が約 10 年あると言われています。健康に最後の 10 年を過ごすため手軽に健康モニタリングできる機器が必要ではないか?という発想のもと、小型心拍センサ myBeat シリーズが開発されました。myBeat シリーズ製品は、安価に RRI を測定でき、長時間連続で稼働でき、身に付けても気にならず、遠隔でモニタそして記録できる製品として開発されています。

この製品シリーズは、作業者の見守りシステム、自動車運転での眠気検知、心房細動検出などにも活用されています。myBeat シリーズ製品から取得した RRI などの値から、意味のある結論を導き出すためのアルゴリズムは、医療機関や大学などとともに研究しており、ユニオンツール社にて相談を承っています。

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