第5回技術ワーキンググループ会合レポート

会合の模様

2016年10月13日(木)に、第5回技術ワーキンググループ会合が開催されました。その模様を紹介します。

アジェンダ

+Styleについて
ソフトバンク株式会社 大道 伸 氏
SB/YMショップにおけるIoTデバイスの展示・体験について
ソフトバンク株式会社 瀧川 裕之 氏
ポケモンGoをスマートグラスで表示してみた話
Vuzix Corporation 藤井 慶一郎 氏
メディア統合プラットフォーム -メディア・デバイスによらない"テレビ"視聴と放送関連機能のIoT対応-
NHK放送技術研究所 遠藤 大礎(えんどう ひろき)氏
日本初スマートホステルでのIoT活用事例
and factory株式会社 飯村 洋平 氏

+Styleについて

ソフトバンク株式会社 大道 伸 氏より、+Style (プラススタイル) についてご紹介いただきました。

+Style はソフトバンク社が運営する IoT 商品を主に扱うクラウドファンディングのプラットフォームです。

世界的にもクラウドファンディングのプラットフォームは数多く存在しますが、+Style の大きな特徴として、ファンディングのみならず、消費者参加の商品企画などのプランニングから、商品が完成した後の販売に至るまでをサポートしており、消費者ニーズの多様化に対応する新しい形の「ものづくり」を支援します。

プランニングの段階では、商品の作り手が企画を公開し、ユーザーがさまざまな意見やアイデアを出すことで、企画商品をブラッシュアップしていきます。商品化の目途が立つと、ファンディングに移行し、商品購入の事前募集を行い、目標額に達したら、商品化に着手します。+Style ではショッピングの機能も用意されています。ここでは、主に、一般販売前の商品や数量限定の先行販売によるマーケティングの場として活用できます。

SB/YMショップにおけるIoTデバイスの展示・体験について

ソフトバンク株式会社 瀧川 裕之 氏より、IoTデバイスが展示され体験できる TECH CAFEFuture Marketing Unit (FMU) をご紹介いただきました。

TECH CAFE はすでにワイモバイル六本木 Internetpark、心斎橋筋、南池袋店などで開設されています。ハッカソンなどのイベントで開発されたものや、まだ製品化されていない IoT 技術の展示、さらに、店舗によっては体験だけでなく購入も可能です。スマートフォンを中心とした生活を豊かにする様々な製品が用意されています。

Future Marketing Unit は、Touch and Try をコンセプトに、一般の人には分かりづらい IoT 商品の利用イメージを膨らませて購入できる仕組みを実現した IoT 商品販売店です。

Future Marketing Unit は、すでに数多くのソフトバンク店舗に展開しており、各店舗では 20 商品以上が展示されています。Future Marketing Unit は、単なる商品展示ではなく、アプリと連動した IoT 商品の体験と、動画やスライドを使った分かりやすい商品説明を通して、ユーザーの関心を「いいねボタン」からカウントしたり、商品に対する要望などのフィードバックを集めることも行っています。

TECH CAFE および Future Marketing Unit では、さらに IoT 商品の展示やショップ取り扱いを募集しています。

ポケモンGoをスマートグラスで表示してみた話

Vuzix Corporation 藤井 慶一郎 氏より、ポケモンGoをスマートグラスで表示するデモについて解説いただきました。

このデモでは、ARアプリとして人気のゲーム「ポケモンGo」を、NTTドコモ社が開発した仕様 Linking に準拠した BLE ボタンデバイス「Pochiru」とVuzix社「M100 スマートグラス」を連携してポケモンGoを操作します。ポケモンGoがインストールされたスマートフォンと M100 スマートグラスにはデバイスコネクトもインインストールされており、そのデバイスコネクトを経由して Pochiru からゲームを操作し、そして、ゲームの画面を M100 スマートグラスに投影します。これによって、スマートフォンの画面を見ることなしに、ポケモンGoを楽しむことができます。

このデモは、CEDEC 2016東京ゲームショウ 2016CEATEC JAPAN 2016 で展示されました。

[PDF ダウンロード]

メディア統合プラットフォーム -メディア・デバイスによらない "テレビ" 視聴と放送関連機能の IoT 対応-

NHK放送技術研究所 遠藤 大礎(えんどう ひろき)氏より、テレビと IoT を組み合わせた研究内容をご紹介いただきました。

本来、テレビ放送は放送波を使って視聴者に届けられます。しかし、近年のインターネットやスマートフォンなどのデバイスの普及により、多様な選択肢を前提としたテレビ視聴が模索されています。しかし、コンテンツ(番組)が届けられる仕組みごとに利用するアプリを使い分けなければならない状況では、テレビコンテンツ視聴の普及が限定的となってしまいます。

このような課題がある中、NHK放送技術研究所ではメディア統合プラットフォームを開発中。このプラットフォームでは、様々なデバイスや伝送方式を統合し、視聴者に最適な手段でコンテンツを届ける仕組みを実現します。

視聴者にコンテンツを告知する手段として、ウェブでは一般的なハイパーリンクを使います。ウェブコンテンツと同様に、テレビコンテンツ(番組)にもリンクを割り当てることで、SNS での共有も可能となります。

すでにスマートフォンから Twitter に投稿された放送コンテンツのリンクをクリックすることで、そのデバイスに最適な伝送方式を選択して放送コンテンツを閲覧できる仕組みを実現しています。また、放送波の受信状態が悪くなると、自動的にネット配信の受信に切り替えるなどの機能も実現しています。

今後はテレビ受信機、レコーダー、各種チューナーなど、様々な家庭内デバイスと連携したサービスの展開を検討しています。

[PDF ダウンロード]

日本初スマートホステルでの IoT 活用事例

and factory株式会社 飯村 洋平 氏より、日本発のスマートホステルの IoT 活用事例を紹介いただきました。

福岡に開業したスマートホステル「&AND HOSTEL」は、最先端の IoT デバイスを一か所に集結させた体験型宿泊施設。宿泊者には最先端の体験の場として、そして、メーカには実証実験の場として活用されています。

現時点で、スマートロック「Qrio」、スマート電球「Hue」の操作や、学習赤外線リモコン「iRemocon」を通して家電も操作できるなど、12 種類の IoT デバイスが &AND HOSTEL に用意され、宿泊者はスマートフォンからそれらのデバイスを連携した IoT を体験することができます。

今後は民泊、住宅、オフィスなどにも場を広げるべく、パートナーを募集中。

[PDF ダウンロード]