第一回総会レポート

2015年6月2日(火)に、第一回総会が開催されました。総会には 53 会員 93 名が出席し、その後、勉強会、懇親会が催されました。また、会場には、会員によるデバイス連携に関するデモも展示されました。ここでは、勉強会、デモ展示の模様を紹介します。

勉強会

勉強会では 2 名の講師による講演が行われました。

GotAPIの概要と技術解説

講師:株式会社NTTドコモ 山添 隆文 氏

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IoTの規格化動向とデバイスWebAPI

講師:株式会社GClue 代表取締役 佐々木 陽 氏

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デモ展示

会場では会員 7 社によるデモが披露されました。当サイトにて公開許諾が得られた 6 社のデモを、会員ご自身による紹介文を添えてご紹介します。

インフィニテグラ株式会社

インフィニテグラ株式会社では、スマートフォンに有線接続する外付けカメラの研究開発を推進中で、その研究成果の一端を展示しました。

  • 写真左上:ヘルメット型カメラ
  • 写真左下:クリップ型カメラ
  • 写真右上:メガネ型カメラ
  • 写真右下:小型サーマルカメラ

スタッフネット株式会社

デバイスWebAPIを使ったスマートグラス向け「作業指示ソリューション」のデモです。スマートグラスは、画面を確認しながらの両手作業(ハンドフリー)、スマートグラスのカメラを通じた見たままの映像送信(現場映像のテレビ会議)、常時視界にある画面での即時確認(リアルタイム通知)ができるというPCやスマートフォンには無い特徴があります。デモは、バーコードの読み取りでハンドフリー作業のための手順書を表示後、指輪型デバイス(Logbar社 RingZERO)を使ったジェスチャー操作でページ送りや動画再生を行います[Canvas API,MediaPlayer API]。作業中に困ったときは、スマートグラスのカメラを使って、遠隔地のパソコンへ手元の作業の様子を動画で報告することで、的確なサポートを受けます[Canvas API,MediaStreamRecording API]。遠隔地のパソコンからスマートグラスに対し画面を送信することで緊急指示等の、リアルタイム通知を行うことができます[Canvas API]。不正アクセス防止機能も実装しています[Authorization API]。適用分野として生産ライン、倉庫での集荷、建設業の施工、ファストフードや回転寿司の厨房などが想定されます。デバイスWeb API開発環境の活用で、スクラッチ開発と比べ1/4程度の期間で開発できました。

株式会社GClue

今回弊社では、オープンソースとして公開されている「Device Connect」を改良した「Device Web API Manager」を使用して、PHILIPS社製のLEDライト「hue」とOrbotix社製のアプリ制御ボール「Sphero」のライトを制御するデモを展示しました。

「Device Web API Manager」を使用することで、別々の通信網であるWi-Fi(hue)やBluetooth(Sphero)のデバイスが同一のAPIで制御することができるようになります。

他にもEPSON社製の脈拍計測機能付き活動量計「PULSENSE」やMio社製の継続的心拍計測腕時計「Mio Alpha」などの心拍数計測デバイスから情報を受け取りブラウザ上に表示を行うデモや、オムロン社製の人認識画像センシングデバイス「HVC-C」を用いた顔認識のデモも展示しました。

M2Mテクノロジーズ株式会社

【WebAPIとMQTTによる回転灯操作のデモ】

M2Mテクノロジーズは、高齢者見守りサービスを展開しております。高齢者宅にボタンと人感センサを設置し見守りを行っております。現状、ボタンを押されたことをコールセンター要員にすばやく通知し、対応を促すために回転等をまわす機能を実現しています。

今回のデモでは、サーバから回転等制御機器へHTTPのポーリングではなくMQTTを使ってプッシュで通知する方法を実現したので、それをデモとして、展示させていただきました。IBMのNode-REDを使いサーバのWebAPIに対し、色、音などの指示をRequestすることで、MQTTプロトコルにてRaspberryPIに対してPushuによる通知を行います。RaspberryPIは、受けた通知(JSON)を解釈して接続された回転灯を指示に応じた形で鳴動させるというものです。従来のHTTPに比べ、通信パケット数を削減し、リアルタイム性を確保できるようになります。

当社では、MQTTの実装に力をいれ、細い回線でデータ通信の実現とデバイスの管理機能を実装しております。

株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所

株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所では、GotAPIを使ってECHONET Liteプロトコル対応スマート家電(*1)にアクセスするデモを展示しました。エコキュートモジュール(*2)とダウンライト(*3)を、GotAPIのREST GETでコントロールできます。

ブラウザのGET引数に、ECHONET Liteで規定された数値が直接埋め込まれたJSONオブジェクトを渡す形になりますので、エアコンや分電盤など、ECHONET Liteで規定されたすべての機器オブジェクト、プロパティの送受信が可能です(*4)。また、接続された機器の一覧を得ることもできます。

実際のECHONET Lite通信は、プラグインを経由して動作するSonyCSL開発のオープンソース家電サーバー「Kadecot(*5)」を用いています。Kadecotはそれ自体GotAPIのような機能を持ち合わせておりREST APIもあるため、それをラップしてGotAPIに提供しています。

今回デモには含まれませんでしたが、本サーバをNTT西日本が販売している「光Box+(*6)」上で動作させると、所謂Bルートを通じてスマートメーターにアクセスすることも可能です。こちらの機能を持ったバージョンの公開は未定ですが、Kadecotプロジェクトではこの環境を用いた見える化デザインコンペ(*7)なども開催しています。

Vuzix Corporation

M100スマートグラスはAndroidを搭載したスマートグラスです。2015年2月にバルセロナで開催されたMWC2015(Mobile World Congress)では、OMA(Open Mobile Alliance)ブースにてGotAPIを利用したデモを行いました。他社製のウェアラブルデバイスとも簡単に接続できる手軽さが評価されました。

デモは腕に装着した心拍計からBLEでAndroidスマートフォンまたはタブレットに心拍数を送信し、タブレット上のChromeブラウザで設定したM100スマートグラスに対してリアルタイムで心拍数を表示しました。スマートグラスを利用するひとつのメリットとしてハンズフリーでのオペレーションが可能になります。展示していたビデオでは倉庫でハンディターミナルの代わりにスマートグラスを利用することで約25%効率化されたというレポートがでております。ビデオならびにレポートは下記のサイトにリンクがございますので是非ご覧下さい。

M2000ARは弊社が所持しているWaveguide技術を利用した単眼光学シースルーデバイスです。こちらはOS非搭載でHDMI出力に対応したデバイスと接続可能です。デモではWindowsを搭載したStick PCを接続しておりました。作業支援・作業記録・技術伝承などで検証されていて、大きな視野角が必要なソリューションで利用されています。